小林瑞穂(こばやしみずほ) 公式WEBサイト

もしかして、思い込み不眠 !? 不眠症アイデンティティ

日本人の70%が睡眠に不満を持ち、20%が慢性的な睡眠不足・なんらかの睡眠障害をもつと言われる、不眠大国ニッポン。

この20%の中には、実は思い込み不眠症も多数いるのではないか・・・と医療現場に関わる私は感じています。

働き盛りの30代40代の約4割は、日中に眠気を感じながら仕事をしているというデータが厚生労働省から発表されています。その中の何割かは・・・思い込みによる睡眠不足・睡眠障害かもしれません。

あなたは、大丈夫ですか?自分で勝手に不眠だと決めつけていませんか?思い込み不眠ではありませんか?

マインドや思考の変え方を提案すると、救われる従業員が増えるかもしれません。

睡眠不足=不眠症不眠障害ではない

不眠には、
✔ 一過性の不眠
✔ 1ヶ月以内の短期不眠
✔ 1ヶ月以上の持続性の長期不眠
があります。

※最新の不眠障害診断基準は変更になっています。
✔ 一過性の不眠 ⇒ 障害ではない。
✔ 短期不眠障害(不眠状態が3カ月未満継続)
✔ 慢性不眠障害(不眠状態が3カ月以上継続)
✔ その他

一般的に、医師がと診断してお薬で治療をする場合、一過性ではなく1カ月以上、且つ、「起きている間の日常生活に支障をきたす」かどうか?が基準になります。

ちょっと寝れない日が何日か続いたからといって、リカバリーできれば不眠症ではありません。

専門的に見ると、睡眠不足が長期的に続いていたとしても、本人が、昼間に全く支障を感じていなければ、不眠症とは言えません。

〇時間しか眠っていないからではなく、自分が、自分の体が、心が、辛いかどうか?が重要なのです。

思い込み不眠症

アラバマ大学の大規模な研究では、不眠症を訴える人の37%が「従来の基準では睡眠不足ではない」と言っています。

例えば、不眠症だと思っていて睡眠に不満のある、でも睡眠学的にはよく寝ている人は、精神的な不安やうつの状態、疲労感などが、本当に不眠症の人と同程度あったりします。

また、一般論や平均値、その他聞きかじりの知識を信じやすく、それを基準に、例えば、自分はなかなか寝付けないからダメだ、不眠症だと思い込むパターンもあります。

眠れない眠れないと口癖のように繰り返すことで、寝床は眠れない場所である・自分は不眠症だという状態を
脳に刷り込んでしまう方もいます。

薬剤師の私が言うのもなんですが、薬を飲んでも飲まなくても眠れないのなら飲む必要はないのです。
薬がないと眠れない又は飲んでも眠れない。でも睡眠改善・生活改善には取り組まない。

これも不眠症である自分で居つづけたい思い込み不眠の一つです。

本当の不眠・不眠症ではない、自らが病を呼び込んでいるかもしれない「思い込み」は手放したほうが良いと思いませんか?

この思い込みを手放すことができたならば、ひょっとしたら他の思い込みも楽に手放せるコツが掴めるかもしれません。

思い込み不眠をなくすために

言い方はおかしいかもしれませんが、本当の不眠症と思い込み不眠症を鑑別することが必要です。

自分で気づかない、周りもわからない場合は、通常の内科さんではなく、睡眠について知識のある「専門の」医師に一度診ていただくのがよいでしょう。

また、先ずはじめに自分でできる改善の一歩として、「寝なればならない」~ねばならない思考をやめてください。

✔ 睡眠は眠らなければいけないから眠るわけではありません。眠りたいと心も体も欲するから眠るのです。

✔ 眠くなるまで布団に入らなくても結構です。布団の中で悶々とすることとで、寝床が眠れない場所として脳にインプットされてしまいます。ますます悪循環です。

✔ 眠れないことについて悩んで眠れていない時間をゴロゴロ・ダラダラ過ごすよりも、睡眠のことは頭から消し去って、他の楽しいこと心地よいことに時間を使ってください。そのほうが生産的です。

✔ 睡眠は修行ではありません。眠くなったら寝る。眠れなかったら無理に寝ない。眠ることがストレスに感じている時点で、良い睡眠は遠ざかっていきます。

✔ 長時間眠らなくても元気に過ごせる人は大勢います。あなたにとって必要十分であれば良いのです。

✔ 休みの日はしっかり休んであげましょう。自分を労うことは快眠の第一歩です。

✔ 毎朝朝日をしっかり浴びましょう。

✔ 夜は布団の中で、クヨクヨ悩むのも、反省会をするのもやめて、思考を切り替え、脳をリラックスさせてあげることを取り入れてみましょう。

✔ ストレスを解消する方法を見つけましょう。

✔ 自分の好きなことを日々の生活に取り入れましょう。そしてしっかり動きましょう

まとめ

何のために眠りたいのか思い出してください。

眠れない自分にフォーカスするのをやめ、思考をポジティブなものに変えると、思い込み不眠は手放せます。

ただし、本当の不眠症にしろ、思い込み不眠症にしろ、一度ついてしまった良くないリズムを戻すのには、早くて2週間~多少の期間が必要です。

もし、自分のチーム内にこのような人がいた場合、焦らず見守り、仕事の配分や、出勤退社時刻の検討など、当事者と一緒にできると良いと思います。

思考を変える手法もスリープ・パフォーマンスの一つです。

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