小林瑞穂(こばやしみずほ) 公式WEBサイト

睡眠から見る生産性向上3つのステージ

~スリープパフォーマンスの役割~

一口に生産性と言っても様々な要因があります。
マイナスを削減する事も生産性の向上ですし、睡眠活用でプラス1.5倍の数字を生む事も生産性UPです。また、数字として見えない部分が結果全体としての利益や増収に繋がる場合もあります。
自社が今取り組むべき従業員教育・組織改革はいずれのステージにあるのか?

今回は従業員一人ひとりの自己管理能力とパフォーマンスに注目し、スリープパフォーマンス研修が担う生産性を、3つの段階に分けて考えてみます。
スリープパフォーマンス研修・講演導入の参考にしてください。

 

 

スリープパフォーマンスが関係する3つのステージ

1.リスク管理のステージ

2.ミス・ロス削減ステージ

3.売上アップ・能力フル活用ステージ

マイナスを減らすステージと、プラスを生むステージに分かれます。それぞれにおいて、睡眠が果たす役割が異なります。

では、どのステージの教育・取り組みがどんな状態の企業に役立つのでしょうか?

(1)輸旅客系や建築系など安全対策が必須な企業ではまずはリスク管理に対するスリープパフォーマンスの知識を啓蒙する。
⇒1

(2)生産性の停滞・低下を感じている経営者
まだムリ・ムダ・ムラがあるのではないかと感じる組織
眠い・・疲れた・・怠い・・が口癖の従業員が多い
メンタルヘルス研修の一環として
健康経営銘柄認定を目指す企業
職場環境の改善を考えている
離職率を減らし活気ある職場作りを目指している
このような組織では、
⇒ケースに応じて1~3ステージの内容をアレンジ

(3)働き方改革を含め、新たな制度構築まで見据え、さらに売上を伸ばしたい企業
従業員一人ひとりを大切にしながら、スキルや能力を上手に引き出し活用したい
⇒2~3

 

 

リスク管理ステージとは

事故の発生や心身の不調からの離職などによる莫大な経済的損失を軽減するステージ

リスク管理は全ての企業において必要です。
その対策としては保険という形で対応する項目もあれば、環境・システムの整備、従業員への教育、また現場や個人の自己管理に頼るところも少なくないでしょう。

万が一の際、巨額の損失が生じるだけでなく、時として人の命に関わることもあります。
トップから新入社員まで一人ひとりが自覚し、またそのリスクを念頭に日々自ら律する必要があります。

この個々自己管理力に委ねられる生産性は、心と体の健康状態、脳機能の状態と深く連動しています。
そしてその状態を健全に保つために必要不可欠なのが睡眠です。

例を上げます。
私自身も元営業マンです。九州を車で巡っていました。前日は遅くまで接待。隣県のお客様のもとへ、寝不足状態で高速道路を運転しヒヤッとしてブレーキを踏み込んだことがあります。幸いにも事故にはいたりませんでしたが。
ご自身が危険作業を担当していなかったとしても、ニュースなどで大きな惨事を目にしたこともあると思います。

また、例えば労災での死亡事故が起こってしまった場合、以下のような項目は保険で賄われるでしょう。
・治療費を補償する、療養補償給付
・休業損害を補償する、休業補償給付
・後遺障害が残った場合の逸失利益を補償する、障害補償給付
・亡による逸失利益を補償する、遺族補償年金
・祭諸費用を補償する、葬祭給付
など

しかし、慰謝料等は保険の範囲ではない場合が多いようです。
様々な要因によって金額は大きく変わるとは思いますが、2000万円~3000万円かかります。
経済的な負担は免れません。

では、睡眠の状態が如何に人間の脳機能に影響を及ぼしているのか?
次のようなデータがあります。

2晩徹夜をしたり、2週間2時間の睡眠負債を抱え込むと、
認知機能や判断力は「一発免停の飲酒運転と同等」に低下します。

如何に脳機能が低下しているか。またその危険度についても想像できるのではないでしょうか?

先ずは生産性向上のファーストステージとして、リスク管理に対する教育はは必須と言えます。

 

ミス・ロス削減ステージ

予測予定を超える、人的要因によるミスやロスや作業効率の低下などによる経済的損失を削減するステージ

ミス・ロスは企業内のルールやシステム、職種や個人の状態にもよって発生頻度は異なると思います。

会社単位として測るだけでなく、部署やチーム単位で過去との数字的比較をすることでその発生度を計測することはできます。

また、従業員一人ひとりの睡眠に関わる健康状態を分析することでも、ミス・ロス発生傾向を分析することも可能です。

さらに定性的な評価も必要です。上司から見たチームの活気はあるのか?以前と比べて落ちていないか?残業時間の傾向はどうか?人間関係は良好か?従業員の健康状態はどうなのか?などを、今までの状態や目標、その他指針、業界平均などと比較します。

では実際、ミス・ロスの発生や作業効率に対して、睡眠がどのように関わっているのでしょうか?

作業効率と睡眠の関係については様々な研究データやアンケート結果などが存在します。
例えば、
・前項同様の睡眠負債を抱えた状態での作業効率は、
約40%低下します。
・ドライバーの事故発生率は7時間以上の睡眠と比べて、

4~5時間では4.3倍、
4時間未満では11.5倍に跳ね上がります。
・あるアンケートではサラリーマンの約6割が、寝不足で仕事に支障を下すことがあると回答しています。

どのくらいミス・ロスによる経済的損失が生まれるのでしょうか?
あくまで作業効率40%ダウンした時の数字的な単純計算ではありますが、以下のようになります。

条件
日本のサラリーマンの70%が睡眠に不満を持ち、65%が睡眠負債を抱える可能性がある。
10人のチームで1個1000円の品を1人1000個作成し目標の1千万円確保したいとする。

<現状>
(100%能力発揮×3人+60%×7人)÷(100%×10人)×100
=72%
<4人が睡眠改善できたとする>
(100%×7人+60%×3人)÷(100%×10人)×100
=88%

半数が寝不足を解消できると、ロスの発生率は、28%から12%にまで削減できます。
人間ですから具合の悪い時もあれば、時には寝不足が致し方ない場合もあるでしょう。目標1000万円に達成が難しくとも、720万⇒880万の生産性を確保できます。

働き方改革が進む今、従業員一人ひとりの自己管理能力向上にたいして、
企業として研修やルール作りなどでそれをサポートする事も、生産性UPに重要といえるのではないでしょうか?

売上アップ・能力フル活用ステージ

従業員個人の能力100%発揮、時間管理、作業効率アップ、職場人間関係改善、働き方改革、ルールやシステムの効率化などによる売上向上のステージ

必要最低限の自己管理と同時に、目的目標別に睡眠活用に取り組むことによって、健康を手に入れると同時に、メンタルコントロール能力、時間管理力、脳機能コントロールなど、それぞれの能力を「効率よく」引き出す力が身に付きます。

職種職能の応じて、求められるスキルやパフォーマンスは異なります。
内勤IT系の職種であれば集中力かもしれません。営業職では印象力が重要です。体力や判断力、ひらめき力や企画力などが必要な職種もあるでしょう。

一概に〇%向上とは示すことができませんが、
結果として例えば、
・業務のスリム化
・残業時間の短縮
・意欲の改善
・職場の人間関係の円滑化
・売上数字の上昇

などに期待ができます。

実際、講座・研修を受けて睡眠活用に取り組んで頂いた方々の傾向として、個人に対しては次のような順に変化が起こります。
合わせて組織の環境改善やルール・システム作りも重要です。

翌日の目覚め

メンタルの変化

時間の使い方の変化

体調の変化
仕事効率の改善を実感

意外に思われるかもしれませんが、体の変化より先に、心の状態の変化を体感する方が多いようです。部下にイライラしなくなった。悩みがなくなるわけではないけれど不安感が減った。やる気が出てきた。久しぶりに笑った。会話が増えた。など、本人にとって前向きな反応を増える事によって、仕事への意欲や動機付け取り組むべき点の明確化が無理なくできるようになっていきます。

それど合わせ効率化を視野に入れたタスクの組み換えや、「パフォーマンスコントロール」が可能になります。
ムリなくムダなく能力をフル活用するステージです。

まとめ

1.リスク管理のステージ

.ミス・ロス削減ステージ

3.売上アップ・能力フル活用ステージ

3つのステージに分けて、企業の生産性を上げていく。
そのために企業として取り組むこと、従業員一人ひとりが身に付ける自己管理能力。それぞれに<スリープパフォーマンス>が深く関わっています。

企業研修について

Training

企業向けにスリープ・パフォーマンス研修を行なっております。管理職・営業職・内職など業種別の生産性向上を目的としたオリジナル研修をご提案します。

講演について

Lecture

睡眠に関する講演やセミナーも行なっております。
企業や組合主催のイベントなど様々な場面でご依頼いただけます。

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